宝石名 | トパーズ |
英名 | Topaz |
和名 | 黄玉 (おうぎょく) |
鉱物名 | トパーズ |
分類 | ケイ酸塩鉱物 |
化学組成 | フッ素と水酸基を含むアルミノ珪酸塩鉱物 |
化学式 | Al2SiO4F2またはAl2SiO4(OH)2 |
結晶系 | 斜方晶系 |
モース硬度 | 7.5-8 |
靭性 | 普通-低 |
劈開性 | 一方向に完全 |
比重 | 3.4-3.6 |
屈折率 | 1.60-1.65 |
分散度 | 0.014 |
光沢 | ガラス光沢 |
色・カラー | レモンイエロー、イエロー、 |
ゴールデンイエロー、オレンジ、 | |
シェリー、レッド | |
ピンク、パープル | |
シャンパン、ブラウン | |
ブルー、グリーン | |
カラーレス(クリア) | |
誕生石 | 11月の誕生石 |
結婚記念宝石 | 結婚16周年・黄玉婚式 |
石言葉 | 希望-成功-友愛 |
■11月の誕生石、トパーズについて
11月の誕生石はトパーズとシトリンです。
トパーズはフッ素と水酸基を含むアルミノ珪酸塩鉱物で、厳密にはフッ素の含有量が多い化学式 Al2SiO4F2のF-typeと、水酸基の含有量の多い化学式 Al2SiO4(OH)2のOH-typeの2種類に分類されます。
至上に流通する大半のトパーズがフッ素が優位のFタイプで、色は無色、ブルー、ブラウンなどがあります。
ブルートパーズの大半は無色や淡色で産出した結晶に高エネルギー線を照射し、さらに加熱処理して青色を発色させた処理石になります。
Fタイプのトパーズでブラウンの結晶は、光に長時間さらしておくと褪色する傾向があります。
インペリアルトパーズやピンクトパーズなどの人気色のトパーズは水酸基が優位のOHタイプで、産出量が少なく稀少です。
OHタイプのトパーズは光に長期間さらしても褪色しないとされています。
■トパーズの意味とは?名前の由来
トパーズの名の語源には、サンスクリット語で「熱」を意味する「tapas(タパス)」に由来とする説や、ギリシャ語の「topazos(トパゾス)」に由来とする説など諸説ありますが、中世の頃までトパーズの名は、緑や黄緑、黄色の宝石の一般的な呼び名であったため、ペリドットもトパーズと呼ばれていた歴史があったようです。
■トパーズの歴史
宝石質のトパーズ結晶は世界各地で広範に産出していて、かつては日本もトパーズの世界的な産地として名を馳せていたことがあり、明治初期頃には岐阜県や滋賀県などでトパーズが採掘されていました。
明治時代の頃はヨーロッパで黄色のトパーズが人気を集めていたことから、和名「黄玉(おうぎょく)」と命名されたといわれています。
■トパーズの石言葉・宝石言葉
トパーズの石言葉(宝石言葉)は、希望-成功-友愛です。
石言葉とは、一つ一つの宝石に与えられた言葉のことで、各々の宝石の持つ特質や歴史・言い伝えなどから、象徴的な意味をもつ言葉が選ばれています。
石言葉には、各々の宝石の持つ特質や色が与える心身への影響が研究された心理学が応用されていますので、自身が受ける心理的影響を生かしたセルフマネジメントや、他人に与える心理的影響を活かした印象戦略などに活用することができます。
■トパーズの色・カラーバリエーション
イエロートパーズ | イエロー |
インペリアルトパーズ | ゴールデンイエロー、オレンジ、シェリー |
ピンクトパーズ | ピンク |
レッドトパーズ | レッド |
スカイブルートパーズ | スカイブルー |
スイスブルートパーズ | ブライトブルー |
ロンドンブルートパーズ | ダークブルー |
ホワイトトパーズ | カラーレス(無色) |
トパーズは実にカラーバリエーションが豊富な宝石で、和名「黄玉」の名の由来となったイエロートパーズ以外にも、シェリー~サーモンピンク~ピンクの「インペリアルトパーズ」、淡青色の「スカイブルートパーズ」、鮮やかで明るい青色の「スイスブルートパーズ」、深みのある濃い青色の「ロンドンブルートパーズ」、無色の「ホワイトトパーズ(カラーレストパーズ)」などがあります。
ブラウンカラーで産出するトパーズもあり、淡いオレンジ色~淡褐色は「シャンパントパーズ」、琥珀色~濃褐色は「ブラウントパーズ」などと呼ばれていますが、こちらは宝飾用としてはあまり流通していません。
■レアストーンのインペリアルトパーズとは?
多彩なトパーズの中で最も市場価値が高いのはインペリアルトパーズで、その殆どがブラジルのミナス・ジェライス州オウロ・プレトから産出しています。
インペリアルトパーズは世界中で非常に人気のある宝石ですが、産出量が極めて少ないために幻の宝石とも呼ばれており、貴石よりも高値で取引される「稀少石」※です。
インペリアルトパーズと同じブラジルのミナス・ジェライス州オウロ・プレト産の金色のトパーズは美しい色合いですが、市場価値の高いインペリアルトパーズとは区別するために「プレシャストパーズ」の名で流通していることもあります。
※貴石よりも稀少性の高い宝石は「稀少石」や「レアストーン(Rare Stone)」と呼ばれています。
レアストーンの一例:アレキサンドライト、ベニトアイト、グランディディエライト、パライバトルマリン、パパラチアサファイア、インペリアルトパーズ、ビクスバイト(レッドベリル)、デマントイドガーネット、アウイナイトなど
■ブルートパーズについて
スカイブルー、スイスブルー、ロンドンブルーなどの青色系のトパーズは、無色や淡青色で産出した結晶に高エネルギー線を照射し、さらに加熱処理して青色を発色させたもので、色の違いは処理する際のエネルギー源の違いや加熱処理の有無によるものです。
スカイブルー、スイスブルー、ロンドンブルーの呼び名は、大手化粧会社のレブロン社が名付けたアイシャドーパレットの名前に因んだものですが、今日では一般的な呼び名として定着しています。
世界で産出するトパーズ結晶の多くは、無色・淡褐色・淡青色ですが、かつては色のないトパーズは市場価値が殆どないとされて、宝石としてカットされることもなく、結晶標本として市場に出回るもの以外は廃棄されていたそうです。
ナチュラルで青いトパーズが産出することも珍しくはないようですが、青みの淡いものが殆どで、カットすると更に色が淡くなってしまい、宝石としては余り魅力がないことや、色が不安定で2~3年も経たずして退色してほぼ無色になってしまうものが多いため、殆ど市場に出回ることはありません。
1970年頃から、無色や淡色の結晶に照射処理と加熱処理によるエンハンスメントを施して色変化させたブルートパーズが宝石市場に流通するようになりました。
※エンハンスメントとは、その宝石が本来持っている潜在的な美しさを引き出すための処理のことです。
照射処理と加熱処理によるエンハンスメントが施されたブルートパーズの色は安定していて、退色することもありません。
■ホワイトトパーズについて
無色透明のトパーズはホワイトトパーズやカラーレストパーズと呼ばれています。
無色透明のトパーズはスリランカやナイジェリア等で大量に産出しているため、インクルージョンやクラックなどがみられない、ほぼ完全無欠の透明度の高い宝石であることが多いです。
1970年頃より大量生産された人造宝石のキュービック・ジルコニアがガラス並の安価な価格で流通するようになり、トパーズに限らずサファイア、トルマリン、ベリル、クリスタルなどのあらゆる無色透明の宝石が、キュービック・ジルコニアに宝石市場のシェアを奪われてしまい、流通量は激減してしまいましたが、屈折率が比較的高いトパーズは、無色の結晶であってもカットを施せば眩いほどの美しさを放ちますので、現在では安価ながらも市場に流通しています。
■ミスティックトパーズについて
1990年末頃からは、無色透明のトパーズに「蒸着(じょうちゃく)」と呼ばれる、レンズや半導体等の製造で用いられる技術を応用し、金属の薄膜コーティングを施して多彩な色合いに着色されたトパーズが市場に姿を現すようになりました。
使われる被膜の色や厚さにより如何なる色合いを出すことが可能なうえ、最先端技術の応用のため簡単に剥がれることもありません。
色により様々な名前がありますが、玉虫色に輝くものは「ミステックトパーズ」と呼ばれています。
■天然石トパーズ関連商品のご案内
【トパーズの天然石ルース】【トパーズの天然石アクセサリー】は、弊社オンラインショップのアクセサリーパーツ卸売り通販店【ネイチャーガイダンス・グリーン店】と【アートソース】にて販売中です。
詳細につきましては、以下のリンクより弊社オンラインショップの商品ページをご確認いただけますと幸いです。