
4月の誕生石 モルガナイト Morganite ピンクベリル Pink Beryl
宝石名 | モルガナイト/ピンクベリル |
英名 | Morganite/Pink Beryl |
和名 | モルガン石 |
鉱物名 | 緑柱石(りょくちゅうせき) |
分類 | 珪酸塩鉱物 |
化学組成 | ベリリウムとアルミニウムの珪酸塩 |
化学式 | Be3Al2Si6O18 |
結晶系 | 六方晶系 |
モース硬度 | 7.5-8 |
靭性 | 7.5 |
劈開性 | 一方向に微弱 |
比重 | 2.6-2.9 |
屈折率 | 1.57-1.59 |
分散度 | 0.014 |
光沢 | ガラス光沢 |
色 | ピンク – ペールピンク – ピーチ – ローズピンク |
誕生石 | 4月 |
石言葉 | 愛情-優美-清純 |
■モルガナイトとは?
モルガナイトは4月の誕生石です。
1958年に制定された日本の誕生石が63年ぶりに改訂され、10石の新しい誕生石が追加されることになり、2021年12月20日にモルガナイトは4月の誕生石に追加されました。
モルガナイトはモース硬度7.5~8と比較的硬く、靭性も高いため、ジュエリー用として耐久性のある半貴石・準宝石です。
鉱物学的にはエメラルドやアクアマリンと同じ「ベリル(beryl)」=「緑柱石(りょくちゅうせき)」に属する鉱物で、化学組成は「ベリリウムとアルミニウムの珪酸塩」、化学式は「Be3Al2Si6O18」で表されます。
微量元素として含まれるマンガン(Mn2+)に起因してピンク色を呈するベリルであることから、別名:ピンクベリル、ローズベリルなどの名称でも流通しています。
モルガナイトはアクアマリンよりも希少な宝石ですが、比較的サイズの大きな宝石が入手しやすい理由は、アクアマリンやエメラルドのように一般消費者に幅広く宣伝販売されておらず、知名度・認知度が低いためです。
主な産地はブラジル、マダガスカル、モザンビーク、アフガニスタン、ナミビア、パキスタンなど。
モルガナイトのピンク色は原石の内包するマンガンの入りこみ方や含有量の差によって色調や色の濃淡に違いが出てくるため、鉱山にて採掘されたモルガナイトの原石の色は淡いペールピンク色のもの、オレンジがかったピーチ色のもの、赤みがかかったローズピンク色のもの、紫がかった色のものまで実に幅広くあります。
モルガナイトは1910年にマダガスカル沖の島で発見された比較的新しい宝石で、同年に銀行家・投資家で熱心な宝石コレクターだった「J.P.モルガン氏(John Pierpont Morgan/ジョン・ピアポント・モルガン」氏の名前に因んで「Morganite(モルガナイト)」と命名されました。
■鉱物「ベリル」について
ベリルの大半は発色元素となる鉄やマンガンなどの微量の金属イオンを含有しており、それにより様々な色に発色しているため、下記の様に呈する色の違いによって異なる宝石名で流通しています。
ベリル(緑柱石)の一覧 | ||
宝石名 | 色 | 発色元素 |
エメラルド | エメラルドグリーンービリジアン | クロム、バナジウム |
アクアマリン | アクアブルー-ブルー-ブルーグリーン | 鉄 |
ブルーベリル(マシーシェ) | ブルー | 放射線照射 |
モルガナイト(ピンクベリル) | ピンク-ピーチ-ローズ | マンガン |
ビクスバイト(レッドベリル) | レッド-フクシア-ラズベリー | マンガン |
イエローベリル | イエロー-ライトイエロー | 鉄 |
ゴールデンベリル | ゴールデンイエロー-オレンジ | 鉄 |
ヘリオドール | イエローグリーン | 鉄、酸化ウラン |
ゴシェナイト(ゴシュナイト) | カラーレス(無色) | アルミニウム |
◆エメラルド
クロム・バナジウム・鉄の組み合わせによりエメラルドグリーン~ビリジアンを呈するベリル。発色に起因する金属イオンの種類によらず、緑色の濃さと彩度がエメラルドと呼ぶに十分であればエメラルドに分類されます。
◆グリーンベリル
クロム・バナジウム・鉄の組み合わせによりペールグリーンを呈するベリル。エメラルドと分類するには緑色の発色が淡すぎる場合はグリーンベリルに分類されますが、どの程度を「淡すぎる」と考えるのかについては見解に相違があります。
◆アクアマリン
鉄に起因してアクアブルー~ブルー~ブルーグリーン を呈するベリル。特に色の濃いものはサンタマリアと呼ばれています。
◆ブルーベリル(マシーシェベリル、マシーシャベリル、マシシベリル)
自然界での放射線照射によってカラーセンターが生じてサファイアの様な青色やタンザナイトの様な紫紺色を呈するベリル。ブラジルのミナス・ジェライス州のピアウイ渓谷にあるMaxixe鉱山から採石されたことから名付けられたベリルです。
◆モルガナイト(ピンクベリル)
マンガンに起因してペールピンク~ピンク~ピーチ~ローズピンクを呈するベリル。アクアマリンよりも希少な宝石ですが、アクアマリンやエメラルドのように一般消費者に幅広く宣伝販売されておらず、認知度・知名度が低いため比較的サイズの大きなルースでも手頃な価格で入手しやすい傾向にあります。
◆ビクスバイト(レッドベリル)
マンガンが起因して赤色~赤紫色~濃赤色を呈するベリル。
◆ゴールデンベリル
鉄に起因してゴールデンイエロー~オレンジを呈するベリル。
◆ヘリオドール
鉄や酸化ウランに起因してイエローグリーンを呈するベリル。
◆ゴッシュナイト(ゴッシェナイト、ゴシェナイト、ホワイトベリル、カラーレスベリル)
不純物の少ない無色透明の純粋なベリル。宝石として研磨されるサイズの結晶で、包有物(インクルージョン)の少ない無色透明の原石は稀にしか発見されないため希少ですが、ダイヤモンド以外の宝石ではカラーレスの需要は高くはないため、比較的安価に流通しています。
■モルガナイトの石言葉と意味
モルガナイトの石言葉は「愛情」「優美」「清純」です。
石言葉とは、一つ一つの宝石に与えられた言葉のことで、各々の宝石の持つ特質や歴史・言い伝えなどから、象徴的な意味をもつ言葉が選ばれています。
石言葉には、各々の宝石の持つ特質や色が与える心身への影響が研究された心理学が応用されていますので、自身が受ける心理的影響を生かしたセルフマネジメントや、他人に与える心理的影響を活かした印象戦略などに活用することができます。
■欧米で人気、モルガナイトのエンゲージリング
モルガナイトは欧米ではエンゲージリング(婚約指輪)用途での人気も高い宝石ですので、石言葉が結婚や花嫁を連想させるものであるのも納得です。
モルガナイトのエンゲージリングに人気が高まるきっかけとなったのが、2002年に女優で歌手のジェニファー・ロペスが俳優で映画プロデューサーのベン・アフレックからプロポーズされた際に贈られたハリー・ウィンストンの6.10カラットのピンクダイヤモンドのエンゲージリングでした。
このニュースにより、カラーダイヤモンドがブームとなり、ピンクダイヤモンドの価値は急上昇しました。
カラーレスのダイヤモンドと比べて希少価値・価格ともに10倍以上、1カラット以上の大きなサイズのルースとなれば1千万円以上ともいわれる、希少さ故に非常に高価な天然のピンクダイヤモンドと比べ、モルガナイトはサイズが大きく、インクルージョンの少ない美しいルースが手に届きやすい価格帯で入手できることから、ピンクダイヤモンドの代替石としてモルガナイトへの注目が高まることとなりました。
モルガナイトのエンゲージリングで特に人気が高いデザインは、メレダイヤモンドがセンターストーンを輪のように囲んだ「ヘイロー(Halo)」※と呼ばれるセッティングのリングです。
※ヘイローとは太陽に薄い雲がかかった際に、雲を形成する氷晶がプリズムとして働き、太陽の周りに虹色の光の輪が現れる幻想的な光学現象のことで、日本では「日暈(ひがさ)」や「ハロー現象(ハロ現象)」などと呼ばれます。
モルガナイトのモース硬度は7.5~8とダイヤモンドと比べると硬度が劣るため、立爪のソリティアリングでは保護性が低いことから、センターストーンを保護する目的でヘイローセッティングやベゼルセッティング(覆輪留め)が適していることも理由の一つとなっています。
モルガナイトの優しい色合いは、どんな肌色ともなじみの良いピンクゴールドとの相性が特に良いため、モルガナイトのエンゲージリングにはピンクゴールドの地金が選ばれる傾向にあります。
誕生石(たんじょうせき)とは、1月から12月までの各月を象徴する宝石のことで、自分の生まれ月(誕生月)に割り当てられた誕生石をお守りとして身に着けることで幸運やご加護を願う、古くから世界で親しまれている習わしです。
誕生石をお守りとして身につける習慣の発祥は16世紀から18世紀にかけてポーランドではじまり、他国に移住したユダヤ人によって世界に広められたといわれています。
誕生石の風習は世界に広がりましたが、日本、アメリカ、イギリスなど、それぞれの国情に合わせて宝石の種類に若干の違いがあります。
誕生石は、指輪・ペンダントネックレス・ピアス・イヤリングなどのジュエリーまたはアクセサリー、あるいはブローチやネクタイピンなどの装身具として携帯されることが多いです。
誕生日や記念日、人生の節目に自分自身で誕生石を購入される方も多いですが、プレゼントとして家族・恋人・友人などの大切な人に愛情や友情など気持ちを込めた贈り物にも最適です。
■新しい誕生石~2021年12月改定
2021年12月20日には、日本で初めて誕生石が制定された1958年から実に63年ぶりに誕生石が改定されることになり、10石の新しい誕生石が追加されることになりました。
2021年改訂 新しい誕生石一覧 | |
2月の誕生石 | クリソベリル・キャッツアイ |
3月の誕生石 | ブラッドストーン、アイオライト |
4月の誕生石 | モルガナイト |
6月の誕生石 | アレキサンドライト |
7月の誕生石 | スフェーン |
8月の誕生石 | スピネル |
9月の誕生石 | クンツァイト |
12月の誕生石 | タンザナイト、ジルコン |
以上のの10種類の宝石です。
同じ誕生月に誕生石が複数ある場合には、自分好みの宝石を自由に選択することができますので、種類が増えたことで選択肢が広がっただけではなく、コンビネーションも楽しめるようになりました。
■誕生石一覧 (2021年12月20日 改訂)
誕生月 | 従来の誕生石19石 | 追加された誕生石10石 |
1月 | ガーネット | |
2月 | アメジスト | クリソベリル・キャッツアイ |
3月 | アクアマリン | ブラッドストーン |
コーラル(珊瑚) | アイオライト | |
4月 | ダイヤモンド | モルガナイト |
5月 | エメラルド | |
ヒスイ(翡翠) | ||
6月 | パール(真珠) | アレキサンドライト |
ムーンストーン | ||
7月 | ルビー | スフェーン |
8月 | ペリドット | スピネル |
サードオニキス | ||
9月 | サファイア | クンツァイト |
10月 | トルマリン | |
オパール | ||
11月 | トパーズ | |
シトリン | ||
12月 | ターコイズ | タンザナイト |
ラピスラズリ | ジルコン |
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