7月の誕生石 ルビーの意味と石言葉

7月の誕生石 ルビー Ruby 紅玉 こうぎょく

宝石名 ルビー
英名 Ruby
和名 紅玉(こうぎょく)
鉱物名 コランダム(corundum)、鋼玉(こうぎょく)
分類 酸化鉱物
化学組成 酸化アルミニウム
化学式 Al2O2
結晶系 三方晶系
モース硬度 9
靭性
劈開性 なし
比重 3.9-4.1
屈折率 1.76-1.78
分散度 0.018
光沢 ガラス光沢
レッド、ピジョン・ブラッド、ビーフ・ブラッド
誕生石 7月
石言葉 情熱-勝利-仁愛-威厳
結婚記念日の宝石 ルビー婚式 (結婚35周年)

7月の誕生石、ルビーとは?

ルビーは7月の誕生石で、和名では紅玉(こうぎょく)と呼ばれています。

鉱物学的にはルビーは赤鉄鉱グループに属する、酸化アルミニウムの結晶からなる鉱物のコランダム(鋼玉)に分類されます

宝石学的には赤色系を呈するコランダム(鋼玉)はルビーに分類され、ルビー以外のコランダムは全てサファイアに分類されます

ルビーは世界四大宝石の一つとして知られる貴石です。

世界四大宝石とは、天然鉱物の中でも稀少性が高く、宝飾的な価値が高く評価され、長い歴史の中で特に珍重されてきたダイヤモンド、エメラルド、ルビー、サファイアの4つの美しい宝石を指します。

赤色が濃く、クラリティ(透明度)が高く、サイズが大きい結晶のルビーほど高品質と評価されます

※貴石(きせき)とは、特に高値で取引される宝飾的な価値の高い宝石のことで、プレシャス・ストーン(Precious Stone)とも呼ばれ、貴石以外の宝石は半貴石(はんきせき)やセミ・プレシャス・ストーン(Semi Precious Stone)と呼ばれています。

貴石よりも稀少性の高い、アレキサンドライト、ベニトアイト、グランディディエライト、パライバトルマリン、パパラチアサファイア、インペリアルトパーズ、ビクスバイト(レッドベリル)、デマントイドガーネット、アウイナイトなどの宝石は「希少石」や「レアストーン(Rare Stone)」と呼ばれています。

コランダムとは?鋼玉について

鉱物学的にはルビーとサファイアは「コランダム(corundum)」=「鋼玉(こうぎょく)」と呼ばれる同じ鉱物の宝石です。

酸化アルミニウムの結晶内に取り込まれた微量元素のクロムに起因して赤色を呈するコランダムがルビーに分類され、赤色以外のコランダムは全てサファイアに分類されます

コランダムの化学組成は、酸素とアルミニウムとの化合物である酸化アルミニウムの結晶で、化学式は Al2O3 、結晶系は三方晶系、モース硬度はダイヤモンドに次ぐ9で、劈開性が不明瞭のため靭性も高いことから、ルビーは最も耐久性の高い宝石の一つとなっています。

宝石の色について

宝石の色の発色には「自色」と「他色」の二種類があります。

自色とは、結晶を組成する主成分に起因して色を発色している鉱物で「イディオクロマティック(idiomatic)」とも言います。

自色を示す宝石はあまり多くはなく、ペリドット、アルマンディン・ガーネット、マラカイト、クリソコラなどがこれに該当します。

他色とは、結晶を組成する主成分以外に起因して色を発色している鉱物で「アロクロマティック(allochromatic)」とも言います。

純粋な結晶が無色透明の宝石は他色のものが多く、宝石の大半は他色を示す宝石に分類されます。

他色の宝石では微量元素が含まれることで発色するものが多く、ベリル、コランダム、スピネル、トルマリンなどがこれに該当します。

他色の宝石の色起源となる微量元素は原子番号22~29の元素が主で、鉄(Fe)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、バナジウム(V)などの種類があります。

宝石の種類が異なる場合は、同じ微量元素であっても、異なる色に発色することもあります。

例えば、ベリルにクロムが取り込まれた場合は緑色に発色するエメラルドになりますが、コランダムにクロムが取り込まれた場合は赤色に発色するルビーになります。

このほかに、他色の宝石では自然界の放射性物質や放射線により発色するものもあります。

ジルコンは主成分であるジルコニウムの代わりに、ウランやトリウムなどの放射性元素を微量に含みます。

放射性元素により原子配列に格子欠陥が生じることで光の吸収が起こり発色しています。

ジルコンの結晶は生成されたばかりの時は淡色ですが、億年単位の長い年月の間に徐々に濃色へと変化します。

濃色に変化したジルコンに加熱処理を施すと、原子配列が元に近い状態に戻り、元の淡色に戻ります。

ルビーとサファイアの違いについて

過去にはルビーとサファイアが別々の鉱物と考えられてきた時代もありますが、いずれの宝石も鉱物学的には同じ鉱物のコランダムで、現在ではルビー以外のコランダムはサファイアと呼ばれています。

純粋なコランダム(酸化アルミニウムの結晶)は無色透明ですが、結晶内に取り込まれる金属の微量元素の含有量により、色調や色の濃淡が変化し、これにより宝石としての評価も変化します。

コランダムはクロムが取り込まれると赤色を呈し、鉄とチタンが取り込まれると青色を呈します。

赤色系のコランダムはルビーに分類されますが、サファイアにも赤色系のピンクサファイアやレッドサファイアがあります。

コランダムが1%程度の微量のクロムを含有すると、価値の高い深紅色のルビーとなり、0.1%程度の場合はピンクサファイア、5%以上では灰色になってしまうため宝石としては扱われず、「エメリー鉱(えめりーこう)」と呼ばれ、主に工業用の研磨材として用いられます。

限りなくルビーに近いピンクサファイアと、限りなくピンクサファイアに近いルビーは、その区別は困難になりますが、明らかにルビー或いはピンクサファイアと断定できる色合いのルースの場合は価格も全く異なりますが、どちらに分類するか区別し難いような色合いのルースの場合は、価格もルビーとピンクサファイアの中間程になるため、あまり問題はありません。

レッドサファイアとして流通するものは、一見するとルビーのような深い色合いを持っているものがありますが、ルビーのようなクロム系の赤色ではなく、濃いオレンジサファイアといったレディッシュオレンジの色相です。

コランダムの加熱処理について

天然に産出するコランダムの原石は、色溜まりのあるものや、淡いパステル・カラーのものが圧倒的に多く、天然のままの原石はあまり美しくないものが大半のため、本来の美しさを引き出すために加熱処理が施されています。

原石に加熱処理を施すと、色鮮やかに発色し、色が引き締まり、色溜まりが均一化され、見映えが一段と改善されます。

逆に色が濃過ぎる場合には、大量に含有している金属元素を酸化させて除去することで色を薄くすることも可能です。

青紫色~赤紫色の色調のルビーの場合は、鮮やかな赤色に発色させるために、酸素を加えて加熱処理を施して酸化を促すことにより、結晶に含まれている青色や紫色を除去するなど、広範な色の改善も行われています。

加熱処理後の結晶は極めて安定していて、発色は半永久的に保たれます。

宝飾品向けの宝石では、均一な色合いや、色の濃いものが好まれる傾向にあるので、産出するコランダムの原石の大半にはこうした処理が施されています。

加熱処理によって全ての原石が美しく変化する訳ではありませんが、原石の60~80%と高い比率で色や透明度が改善されるといいます。

宝石の島とも呼ばれる世界有数の宝石の産地スリランカでは、半透明で乳白色の外観のコランダムは「ギウダ、ギウーダ(Geuda)」と呼ばれています。

「ギウダ、ギウーダ(Geuda)」=「ගෙවුඩ」は「無色に近い」という意味のサンスクリット語で、スリランカで採掘される宝石の約70%〜80%がギウダです。

ギウダはルチル状の内包物により透明度が低く、色も淡いことから、宝石としての利用価値がないとされ、現地では砂利として庭園などに敷き詰める等に利用されていましたが、1970年代にギウダに加熱・酸化・冷却を施すことで、色と透明度の両方が大幅に向上することが発見されました。

サファイアが比較的に手頃な価格で流通するようになった背景には、加熱処理技術の発達により、美しい宝石へと変身したギウダが市場に流通するようになり、飛躍的にサファイアの供給量が増えたためです。

コランダムの希少性について

天然に産出するコランダムの結晶は、1~2cm程の不透明な結晶片が大半で、宝石質の結晶は米粒のようなサイズのため、カットしても殆どが1カラット以下で、内包物の多い小さなルースしか得られません。

ルビーやサファイアはエメラルド同様に大きなサイズの美しい結晶が得られないため、5カラットを超える良質のルースは極めて稀で、10カラット以上ともなるとダイアモンドをも遥かに凌ぐ価値があります。

ルビーの産地について

コランダムの主要な産地は、ビルマ、タイ、カンボジア、ベトナム、インド、スリランカ、オーストラリア等で、アジア地域に偏在しています。

近年になり、アフリカ東海岸地域のケニア、タンザニア、モザンビーク、マダガスカル等でも上質のコランダムが採れるようになりました。

インドはコランダムを大量に産出していますが、不純物が多く、暗い色調で透明度の低いものが多いため、ビーズ等に加工されるなど、主にアクセサリー用途になります。

世界のコランダムの原石のほぼ全てが、タイやスリランカで研磨・加工されていると言われています。

スリランカは様々な種類の宝石を多く産出していますが、とりわけコランダムは有名です。

スリランカの宝石採鉱では、漂砂鉱床からillamaと呼ばれる宝石を含んだ砂利層を採鉱し、illamaを洗浄して泥・砂・砂利を取り除いたものはnambuwaと呼ばれます。

様々な種類の宝石と小石とが混ざり合うnambuwaに太陽の光を当てて、宝石原石の水磨礫(すいまれき)をのみを採取します。

illamaからは、コランダム、スピネル、ベリル、トルマリン、ガーネット、トパーズ、ジルコン、クリソベリル、アレキサンドライト、カイヤナイト、クォーツなど、色とりどりの様々な種類の宝石原石の水磨礫が産出します。

最高級のルビー「ピジョン・ブラッド」について

ビルマのモゴク地方は、紀元前6世紀頃より既に宝石の産地として知られていました。

ビルマのモゴク地方に産するルビーは、深紅の色合いと高い透明度を持つ、世界で最高級のルビーと評価されています。

加熱処理が施されていないにもかかわらず、血の様な鮮烈な赤色を呈するため「鳩の血の色」という意味で【ピジョン・ブラッド(Pigeon Blood)】と呼ばれています。

しかしながら、色の判定には個人差があり、鑑別・鑑定機関によって「ピジョン・ブラッド」と判定されたルビーであっても、赤黒い色合いのルビーもあり、あくまでも参考に過ぎません。

1990年代後半頃よりモゴク地方では高品質の原石の産出が激減し鉱脈の枯渇が顕著になっており、大型の美しいルビーやサファイアは勿論のこと、1カラット程度の大きさのルースでさえ、近年は市場で滅多に見かけなくなり、市場価格は高騰しています。

ルビーの鉛ガラス含浸処理について

ルビーに限らず、宝石の原石の大半はインクルージョン(内包物)が多く不透明で宝石質ではありません。

このため、インクルージョン(内包物)が多い・クラックやチップ(欠け)が見られる・クラリティ(透明度)が低い等、低品質の宝石の原石に屈折率が近い鉛ガラスを充浸する処理が施されている場合もあります。

安価で流通している透明度の高いルビー、サファイヤ、エメラルド等の多くは、この鉛ガラスを使った含浸処理が施されています。

鉛ガラス含浸処理が施された原石を研磨すると、透明度の高い美しい宝石質のルースに変貌します。

外観からは鉛ガラス含浸処理が施されているということは肉眼では全く分かりませんが、顕微鏡で内部を確かめると、鉛ガラスによる小さな気泡の混入が認められます。

鉛ガラス含浸処理が施されていても天然石であることに変わりはありませんが、価値としては低く評価されるため、主にアクセサリー用途に使われます。

本来、コランダムはモース硬度9と硬く、ジュエリー用として耐久性のある宝石ですが、鉛ガラス含浸処理の施されたものについては、硬度・靭性が低くなるため、取り扱いには注意が必要です。

合成コランダム・合成ルビーについて

合成石は天然石と比べ、遥かにクラリティ(透明度)が高く、色合いの美しい大きな結晶が得られます。

美しい宝石が手頃な価格で入手できることから、合成石は欧米では人気があります。

1902年にフランスの化学者【オーギュスト・ヴィクトル・ルイ・ベルヌーイ】が【ベルヌーイ法(火炎溶融法)】と呼ばれる合成方法を開発したことにより、史上初めて商業的に人工宝石が生産されるようになりました。

ベルヌーイ法による合成ルビーは本物に見えないほど美しく、また生産コストもカラット当り10円程度と非常に安価であったことが災いして、宝石用途としての人気が高まることはありませんでしたが、精密機器やエレクトロニクス等の分野においての需要が高いため、年間生産量2万トン程が産業用途に生産されていると言われています。

現在もベルヌーイ法は合成コランダムや合成スピネルの合成法における主要な製造法の位置を保ち続けています。

1957年にはアメリカの研究所【ベル研究所】が【水熱合成法】と呼ばれる合成方法を、1958年にはアメリカの化学者【キャロル・チャザム】が【フラックス法(融剤法)】と呼ばれる合成方法を開発しました。

しかしながら、ベルヌーイ法では200カラットの結晶の合成に要する時間は3時間程ですが、フラックス法ではベルヌーイ法の20~100倍もの時間が掛かるうえ、大量のインクルージョンやクラックを含みます。

時間と手間がかかり、生産性の低いフラックス合成法による合成ルビーは、商業的に採算が採れないビジネスではありますが、色合いと適度の不透明さが天然の最上のルビーと酷似した特徴を示すため、高級な宝飾品用途での需要があります。

1917年にはポーランドの化学者【ジャン・チョクラルスキー】が【チョクラルスキー法(引き上げ法)】と呼ばれる合成方法を開発しました。

チョクラルスキー法による合成ルビーは極めて純度の高い、欠陥の少ない単結晶が得られることから、ベルヌーイ法による結晶よりも、より高品質な結晶が必要とされる半導体産業において多く利用されています。

合成石を生産する日本企業のキョーセラ社は、チョクラルスキー法による合成ルビーを宝飾用に生産販売しています。

ルビーの意味とは?名前の由来

宝石名「ルビー(ruby)」の名は、「血液」を意味するサンスクリット語の「rudhir」に由来するといわれ、次第に意味・綴り・発音が変化し、「赤」を意味する古典ラテン語「ルーベル(ruber)」 →古典ラテン語「ルビア(rubia)」→古フランス語「ルビ(rubi)」→中世英語「ルビー(ruby)」に変化したといわれています。

ルビーの石言葉・宝石言葉について

ルビーの石言葉・宝石言葉は情熱-勝利-仁愛-威厳です。

インドやスリランカでは古来より宝石を用いたセラピーやヒーリングといった宝石療法の文化があり、宝石には病気や怪我、三毒と呼ばれる”三つの煩悩(ぼんのう)”である、貪欲(とんよく: 貪り・妬み)・瞋恚(にんし: 怒り・憎しみ)・愚癡(ぐち: 愚かさ・無知)などから保護する厄除けや加護の力や宿ると考えられてきました。

古代の王族が身につけていた宝石は純粋な装飾用ではなく、身につける人の富や権力を高めるとされる宝石の力が信じられたためで、ルビーを身につけると気品に満ちた優雅なオーラが漂い、自然と「威厳」が備わるともいわれており、王族や権力者たちが好んで身に着けた宝石と言われています。

ナヴァラトナ(navaratna)と呼ばれる、インドやスリランカをはじめとするアジア地域の国で神聖なものとして認識されているアミュレット(お守り・魔よけ・護符)においては、ルビーは太陽を表す宝石とされています。

ナヴァラトナは太陽系の9つの惑星と、それを神格化した9人の神の”ナヴァグラハ=九曜”が割り当てられた”9つの宝石(ナインストーン)”があしらわれた装身具で、ナヴァラトナにおいて太陽が太陽系の中心であることから、太陽はすべての生命とエネルギーの源であり、最も人生を左右する天体と位置付けられており、太陽は魂の象徴とされています。

太陽を司る赤色の宝石ルビーは、燃えさかる炎のようなパワフルなエネルギーを放ち、持つ人の内に秘める激しい「情熱」を呼び起こし、目的意識を明確にして自信や活力を与えるといわれています。

太陽のポジティブなパワーを吸収し、身に着ける人の潜在能力を最大限に発揮できるようサポートしてくれると考えられており、「活力」・「行動力」を高める宝石とも信じられています。

また、古来よりルビーは軍神マルスが宿る護身の宝石とされ、「勝利」の象徴と考えられており、戦場の兵士たちはお守りとしてルビーを身につけたと伝えられています。

石言葉・宝石言葉とは、一つ一つの宝石に与えられた言葉のことで、各々の宝石の持つ特質や歴史・言い伝えなどから、象徴的な意味をもつ言葉が選ばれています。

石言葉・宝石言葉には、各々の宝石の持つ特質や色が与える心身への影響が研究された心理学が応用されていますので、自身が受ける心理的影響を生かしたセルフマネジメントや、他人に与える心理的影響を活かした印象戦略などに活用することができます。

ルビーは結婚40周年「ルビー婚式」の宝石

ルビーは結婚40周年の結婚記念日「ルビー婚式」の宝石です。

結婚40年目の頃には子供が自立し、豊かな人生を謳歌できる生活を目指す夫婦が多くなってきていることでしょう。

ルビー婚式は深紅色のような二人の深い信頼と誠意を意味する記念日とされていますので、信頼関係がより深まり、嘘偽りのない関係をこれからも続けて行こうという意味を込めて、結婚40年目の節目の記念日をお祝いします。

情け深い心で相手を思いやることや慈しむ心を意味する「仁愛」を象徴するルビーを身に着けると、満ちたりた気持ちと深い愛情に恵まれるパワーを与えてくれるとも伝えられていますので、ルビーをあしらった装身具を互いに贈り合うのも素敵です。

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